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徒労
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川端康成の「雪国」を読んでいる。
それほど厚みのある本ではない、数時間で読み終えることも出来るだろうが
何日もかけてのんびりと読んでいる。

この作品の前半は「徒労」というタイトルだったという。
島村は駒子のやることなすことを「徒労だ」と感じる。
そして蔑むと同時に、徒労なことを夢中でやっている駒子に愛おしさのようなものも感じている。

まだ半分も読んでいないのだが、
「徒労」という言葉がとても印象に残っている。
徒労を繰り返す駒子に魅かれるというのは、とってもよく分かる。

駒子は、十五、六歳の頃から、読んだ小説の題名や作者、登場人物の名前やその関係を帳面に書き留めてきた。
「感想なんて私には書けない」のだと。

「そんなもの書き留めたって何にもならないじゃないか」
「何にもなりませんわ」
「徒労だね」
「徒労ですわ」

島村はもう一度「徒労だ」と言おうとして、その瞬間に彼女の存在に純粋を感じるのだ。

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行動を起こす時点で
「これは効果的か?」とか「必ず結果に繋がるか?」とか「目的は明確か?」などと考えていないと思う。

本人は徒労だなどと思っていない、他人が傍から見てそう言っただけだ。

月並みな言い方をすると、計算が無いというか。

シンプルに「自分のしたいと感じたことを、ただやった」それだけなんだと思った。

そこに爽やかさもあるし、何とも言えない切なさみたいなのもある。

いずれにしろ、結果がどうであれ、素直にやった行いは
それだけで尊いんだなと思った。

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ぼくの近くにいつもいる人も、まあ徒労を繰り返すタイプっぽいが・・笑





18:16 - comments(2)
牛乳屋は許容範囲。
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Sさんからメールが届き、風邪で仕事を休むという。
今日も一人か。
気楽でよいのだが、ついだらだらと時間を過ごしてしまいがちなので
今日はちゃんとしよう、と気を引き締めた。

早く終わらせて喫茶店で読書しよう。
それまで、ネット、特にツイッターは見ないぞと思った。
いつもそこからダラダラが始まる。
ネットであちこちのサイトを見ている自分は本当の自分じゃないような気がした。
読書している時の自分が自分なんだと思いたい。

会社の外をホウキで掃いていると妙にゴミや塵が少ない。
昨日もそうだった。
誰か、朝早く掃いているのだろうか。
それならば、ということでホウキの先を立てて、丁寧に細かなゴミを掃き出した。

道路にはよく水道管やらガス管やらの工事で舗装し直した跡がある。
アスファルトが四角く切り取られ、そこに新しくアスファルトを埋め直している。
この部分は、大概は目が粗い。砂利のような粒粒が隙間だらけで固まっていて、
その隙間に枯れ葉の破片や糸屑のような微細なゴミが入り込む。
それを少しでも掃き出そうとした。

面白いもので、ホウキを力任せに強く掃いては、ちっとも隙間のゴミは取れない。
力を抜いて、優しくホウキを立てるように動かすと
毛先がバラバラに自由に動いてくれて、そのうちの一本が隙間に入り込んでゴミを掻き出してくれる。

ホウキで掃くことに夢中になっていると、目の前をきれいな女性が通り過ぎた。
道路を掃いていると必ずきれいな女性が通る。
一体、日本の美人率の高さはどうなっているのだろうか。
ちょっと異常ではないか、美人が多過ぎる・・などと考えていたら
早く掃除を終わらせて川端康成を読みたくなった。

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会社内を掃除機かけて、トイレを掃除し、商品を出荷し、伝票を書き、注文を受け、確認のメールを送り、また伝票を書き、
それで時計を見たら11時頃で「ああ丁度いい」と思った。
シャッターを降ろして喫茶店へ行く。

電話は携帯へ転送されるようにしてある。
まあでも、滅多にかかって来ないし、来たとしても半分は用の無いセールス電話だ。

「雪国」を読んでいる。
男と女の「あの」場面が描かれていた。
そのものは一切描写して無い。
それこそ徹底的に「それ」を省いている。
それでも、少し身体が熱くなった。
昔読んだ時は、どうだったのだろう・・
それで気づいた。
前にこれを読んだ時は、ぼくはまだ女性を知らなかったのだ。
当時は一体どんな光景を思い浮かべながら読んでいたのだろう。
ひょっとして、その場面だとは気づかずに読んでいたかも知れない。
そして、きっとこの場面の背景に微かに漂っている「儚さ」のようなものには
気づかなかったことだろう。

喫茶店で「雪国」を読みながらサンドイッチを食べコーヒーを飲んだ。
それで店を出てから、いつも「ああ醤油味が欲しい、味噌汁が飲みたい」と感じるのだ。
いつもそう感じさせてしまう、この店のサンドイッチとコーヒーの味というのも、大したものかも知れない。
そして「当分はマヨネーズはいらない」とも思う。

照明を消した会社へ戻ると、寒々としている。
電話が一件も無いときは念のために着信履歴をチェックするのだが
やはり一件も電話は来ていなかった。

どうせ、そうだよ。来てないさ。

そう思うと同時に電話が鳴った。
出てみると「森永牛乳ですが、只今無料でサンプルをお配りしています」という。

牛乳屋なら、いいや。
許してあげる。

そう思った。


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13:19 - comments(0)
老舗
学校のようなところで、机とか椅子とかを運び出していた。
それは絶望的な量で、いつ終わるとも知れなかった。
でも、ぼくはそれらをすっかり運び出さなければならなかったのだ。

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この夢は、珍しく現実とリンクしていると思った。
仕事の取引先の業績が厳しくて、価格等どうにかならないかと相談を受けている。
こちらもギリギリな経営状態なので、どうしたものかな、といった状態だ。
ぼくは印刷業界では小学生のようなものだ。
素人同然だ。
何か「売り」があればいいんだけど・・と、考えて思い浮かぶのは
漠然とした、或いは曖昧な要望から真の希望を引き出して形にすることくらいかな。
でも現状ではどのお客さんも価格にばかり気がいっている。
個人事業主や小さな会社の経営者なら、まだ色々と話は出来そうだが
組織の中で窓口を担当している方、となると「とにかく安くあげろ」という指示ばかり
飛んで来てかなり厳しそうだ。
ううむ。
どうしたものか。
自分とこにしたって、妙に身動きの取れない感が大きい。
なんかフリーズ感があるんだよな。。

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と書いた時点で、自分の得意な領域で思考してないことに気づいた。
ぼくが得意なのは「サプライズ」だ。
相手が驚く様子を想像して、ニヤニヤしながら考えるアイディアこそが持ち味が出る。
そこまで持って行きたいぜ、こんちくしょう。

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ずっと東京の西側で働いて来て、東側へ移って来たら
かなり違っていた。
会社同士の繋がりに「情」とか「義」とかが、ある。
長年付き合って来た下請けを切り捨てて、もっと安い業者に替えるなんてことをしない。
何社かに見積り出させて、それで一番安いところを選ぶなんてやり方をしない。
今までそれが当たり前だと思ってたし、情で繋がるなんてダッセーとか思っていたけれども
いまはそれでよいと思っている。
それで何とかやっていこうというところに、創造は生まれるのだ。
なんちゃって、いまオレかっこいいこと言った!笑
まあとにかく、あまりにドライなビジネスってものに対して「ふざけるなよ」という気持ちはある。
ぱーっと出て来て業績を上げている企業などが直ぐに注目されるが、
ぼくは「老舗」の「商い」を尊敬しているのだ。
考えてみたら、店長時代からそうだった。
華々しく活躍する企業や実業家のことばかり見ている連中を苦々しく思い、
創業○○年とかの、こつこつと続いている老舗を気にしていた。
ぱーっと売れて数年で下火になるような商売ばかり、何故みんな注目するのか不思議で仕方ない。

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老舗商店の、黒光りする柱や板張りの床、使い込んだ道具類など見るとわくわくする。



16:58 - comments(0)
きょう感じたこといろいろ。
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また灯りを点けたまま寝てしまい、4時頃に目が覚めた。
まだ外は真っ暗。寝ている位置からは月も見えていない。
スタンドの灯りを消すと、室内も真っ暗になった。
ふっと床に目をやると、窓から射し込む月明かりが四角くはっきりと映っていた。
かなり明るい。
その月光の射している床から覗けば月が見える。。
そう思ってやってみたら、西の空にレモン型の月が見えた。
何となく形がヘン。
などと思いつつまた眠ってしまった。

次に目が覚めたのは6時頃で、空は少し明るく青味が差している。
そして南の空に月が見える。

あれ?
さっき西に見えたのに、いま南に見えるのはおかしい。
さっきより空の高い位置に見える。
形も、さっきのような違和感がない。

どうも、先程の月は窓か何かに映った月を見ていたらしい。
窓際に置いてある姿見に映っていたのかも知れない。

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自宅マンションに帰ってきたら、エレベーターは使わずに階段を昇るようにしている。
11階なので結構登りでがある。
マンションの階段というのは、どの階もそっくりな造りになっているので
直ぐに「いま何階なのか」が分からなくなる。
階数表示を見ていても、分からなくなる。
いや、階数表示を見ている方が分からなくなり易い、
自分の心の中でカウントしている方が間違えない。

ぼくの奥さんは何でも遊びに解釈する。
一緒に帰宅してぼくが「階段で行く」というと、必ず付き合ってくれる。
それも、決まって登る早さを競ってくる。
まあ子供みたいなもので、初めから飛ばして最後はバテバテになる。
最後にぼくに抜かれると悔しそうだ。笑

今日も同じパターンになった。
懲りない人だ・・
「そんなに初めから早く昇ったら、またバテるよ」と言っても聞かない。
ところが、今日はそのペースで登り切ってしまった。
やるなぁ。

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勝手にニュージーランドには親近感を抱いている。
日本と通じるところがあるような気がしている。
地震のニュースは悲しい。
西洋的建築の崩落する様は無残に見える。
ボロボロと崩れる様子は、何か脆さを感じさせる。

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最近気になっていた川端康成の「雪国」を読み始める。
高校の時に読んで以来だ。
やはり、いま読むと当時は分からなかった良さが染みるように伝わって来る。
何でもないような記述が、堪らなく美しい。

彼の描写は、読む人のイメージ力を信じて任せているような気がした。
簡潔なのだ。
最低限のポイントだけ押さえて、後は読み手に委ねている。
自分の意図通りにイメージさせようというのでは無く、
読み手それぞれに自由にイメージさせた方が美しさが増すのでは無いか。

読むのが美味しい文章だ・・

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お気に入りのネットカフェは海に面したホテルの48階にある。
というかネットカフェって、ここ以外は行ったことがない。
自宅からいつも眺めている海だが、48階から見ると更に広い。
正直なところ、パソコンに向かったりコミックを読むのは勿体無く感じる。
海を眺めている方が、ずっとお得だ。



21:21 - comments(0)
八百屋の空
八百屋は楽しい。なんて多くの野菜が並んでいるのだろう!
どれもこれも形や色がまちまちで、個性を主張している。
みんな美味しそうだ。

・・などと書き出したのに、ぼくは奥さんが八百屋で買い物をしているあいだ
外で待っていた。
奥さんも八百屋へ入ると長い。
ひとつひとつ飽きるまで眺めているんじゃないかと思う。

当分は出て来ないな、と思って日暮れの空など写真に撮っていた。

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「何かあるの?」

振り向けば、おっさんがぼくと一緒に上を見上げている。
風体からして八百屋の店主だろう。
八百屋や魚屋の店主というのは、みな勢いのある顔をしている。
ねじり鉢巻きの似合いそうな顔だ。

「いや、空を撮ってるんですよ」

「あ、空?へぇ」

店主はもう一度、上を見上げた。
まあ、何も無い。
雲も淡い。

(空が良い色だ、って言えば良かったかな)

店主は(何もねぇじゃねーか)って思うだろう。

ところが違った。

「オレも空撮るよ。昨日の朝は飛行機雲がスゴくてさ。こう、東の空からずーっとさ。
オレ、ロケットでも打ち上げてるのかと思ったんだ」

「へえ」

「待ってな・・」

店主は携帯を取り出して、画像を探し始めた。

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「うーん、消しちまったかな」

次々に画像を表示させながら探している。
色々な写真があって面白い。
若い女の子二人がピースしてる写真、犬の写真、市場らしき写真。
それから、何枚もきれいな花壇の写真が続いた。

「あ、これ俺んちの庭なんだ」

「へーすごい。公園みたいですね」

「へっへ」

それから、何枚も海に赤い太陽が光っている写真が続いた。

「おおーいいですね」

「これ、電車から撮ってんだよ」

「海の向こうに太陽があるということは夕陽ですかね」

「いやみんな朝日だよ。帰りの電車は、もう真っ暗さ」

「どこから撮ってるんです」

「京葉線だよ。新浦安の辺りだと、海の向こうにこうやって日が昇るんだよ」

「ああ、なるほど」

「ヘンな人になってるけどね。電車ん中で、外に携帯向けてさ」

「わはは」

「飛行機雲の写真は無いや。すぐ消しちまうんだ」

それで店主は店に戻って行った。

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まあ、朝日や夕日を一生懸命に写真に撮るような人には、見えない。
でもおっさんは撮っている、何度も何度も。
そしてぼくは、それで会話が出来た。

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ま、それだけのことなんだけど。





19:35 - comments(0)
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