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牛乳屋は許容範囲。
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Sさんからメールが届き、風邪で仕事を休むという。
今日も一人か。
気楽でよいのだが、ついだらだらと時間を過ごしてしまいがちなので
今日はちゃんとしよう、と気を引き締めた。

早く終わらせて喫茶店で読書しよう。
それまで、ネット、特にツイッターは見ないぞと思った。
いつもそこからダラダラが始まる。
ネットであちこちのサイトを見ている自分は本当の自分じゃないような気がした。
読書している時の自分が自分なんだと思いたい。

会社の外をホウキで掃いていると妙にゴミや塵が少ない。
昨日もそうだった。
誰か、朝早く掃いているのだろうか。
それならば、ということでホウキの先を立てて、丁寧に細かなゴミを掃き出した。

道路にはよく水道管やらガス管やらの工事で舗装し直した跡がある。
アスファルトが四角く切り取られ、そこに新しくアスファルトを埋め直している。
この部分は、大概は目が粗い。砂利のような粒粒が隙間だらけで固まっていて、
その隙間に枯れ葉の破片や糸屑のような微細なゴミが入り込む。
それを少しでも掃き出そうとした。

面白いもので、ホウキを力任せに強く掃いては、ちっとも隙間のゴミは取れない。
力を抜いて、優しくホウキを立てるように動かすと
毛先がバラバラに自由に動いてくれて、そのうちの一本が隙間に入り込んでゴミを掻き出してくれる。

ホウキで掃くことに夢中になっていると、目の前をきれいな女性が通り過ぎた。
道路を掃いていると必ずきれいな女性が通る。
一体、日本の美人率の高さはどうなっているのだろうか。
ちょっと異常ではないか、美人が多過ぎる・・などと考えていたら
早く掃除を終わらせて川端康成を読みたくなった。

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会社内を掃除機かけて、トイレを掃除し、商品を出荷し、伝票を書き、注文を受け、確認のメールを送り、また伝票を書き、
それで時計を見たら11時頃で「ああ丁度いい」と思った。
シャッターを降ろして喫茶店へ行く。

電話は携帯へ転送されるようにしてある。
まあでも、滅多にかかって来ないし、来たとしても半分は用の無いセールス電話だ。

「雪国」を読んでいる。
男と女の「あの」場面が描かれていた。
そのものは一切描写して無い。
それこそ徹底的に「それ」を省いている。
それでも、少し身体が熱くなった。
昔読んだ時は、どうだったのだろう・・
それで気づいた。
前にこれを読んだ時は、ぼくはまだ女性を知らなかったのだ。
当時は一体どんな光景を思い浮かべながら読んでいたのだろう。
ひょっとして、その場面だとは気づかずに読んでいたかも知れない。
そして、きっとこの場面の背景に微かに漂っている「儚さ」のようなものには
気づかなかったことだろう。

喫茶店で「雪国」を読みながらサンドイッチを食べコーヒーを飲んだ。
それで店を出てから、いつも「ああ醤油味が欲しい、味噌汁が飲みたい」と感じるのだ。
いつもそう感じさせてしまう、この店のサンドイッチとコーヒーの味というのも、大したものかも知れない。
そして「当分はマヨネーズはいらない」とも思う。

照明を消した会社へ戻ると、寒々としている。
電話が一件も無いときは念のために着信履歴をチェックするのだが
やはり一件も電話は来ていなかった。

どうせ、そうだよ。来てないさ。

そう思うと同時に電話が鳴った。
出てみると「森永牛乳ですが、只今無料でサンプルをお配りしています」という。

牛乳屋なら、いいや。
許してあげる。

そう思った。


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